自転車にも損害保険が必要?

こんにちは,ホスピタリティ弁護士の長屋です。


今週は土日返上で書面を起案中です。提出期限の直前にならなければ集中できないというのは我ながら如何なものかと思いますね。でも,そんなときは火事場のくそ力といいましょうか何時間でもPCに向かっていますが・・・(汗)


さて,前回の続きです。


自転車で他人に怪我をさせてしまった場合,自動車と違い強制保険がないため,身銭を切って被害賠償しなければならないことはご説明したとおりです。


では,損害にはどのようなものがあるのでしょうか(人身事故)。


■積極損害

治療費,入院費(雑費,付添看護費),交通費,葬儀費等


■消極損害

休業損害,後遺障害による逸失利益


■慰謝料

死亡慰謝料,入通院慰謝料,後遺障害慰謝料


ざっと挙げれば以上のような感じでしょうか。


積極損害は怪我の状態によって異なりますが,高額になりそうな場合はひとまず健康保険を使ってもらうことを考えた方がいいでしょう(3割負担になるので双方にとって負担が少ないです。ただし,加害者が7割の賠償責任を免れるわけではありませんが)。


消極損害としては,被害者が会社を休めば休業損害を支払わなければなりません。また,後遺障害が認められれば逸失利益(これまでと同じ状態でなくなったので,将来にわって得ることができなくなった利益)を支払わなければなりません。


例えば,「局部に神経症状を残すもの」ということで14等級の後遺障害が認められると,一般的に労働能力喪失率は5%とされていますので,失われた5%分の利益(労働対価)を支払わなければなりません。何年分を支払うかはケースバイケースです(67歳までが原則ですが,5年程度に制限される場合もあります)。なお,中間利息は控除されますので年数に応じて係数計算をします(ライプニッツ係数)。


慰謝料としては,死亡慰謝料になると数千万円になりますし,入通院慰謝料は入院・通院期間がどのくらいかによりますが,3か月程度通院した場合は,一般的に50万円前後といったところでしょうか。後遺障害慰謝料は,14等級であれば100万円前後ですので,入通院慰謝料と後遺障害慰謝料を支払わなければならないとすると相当な金額になります。


このような賠償金を問題なく支払える人にとっては,所詮自転車事故なんてと思われているかもしれません。でも,現実には,自転車事故により,加害者も被害者も大変な思いをされているのです。


自転車といえども運転することのリスクをしっかり頭に入れて,マナーを守り安全運転を心掛けて戴きたいと思います。


 
次回に続く。