トラック運転手を下請けにするには??

こんばんは、ホスピタリティ弁護士の長屋です。

事務所を立ち上げて2週間ほど経ちましたが、未だ気ぜわしいのはどうしてでしょうか。やらなきゃいけないことは次々と頭の中に浮かぶのですが優先順位の整理ができずにいるからでしょう。もう少し余裕をもって望みたいと思います。

 

さて、今回は事業者性(労働者性)を判断するための基準について少しだけ。

 

「事業者」か「労働者」かの判断要素として、まず一番に挙げられるのは「使用従属関係があるかないか」になります。使用従属関係がなければ事業者として扱っても構わないということになります。

そこで、次の点を検討してみてください。

①仕事の依頼、業務従事の指示等に対する許否の自由があるかどうか

②業務遂行上の指揮監督があるかどうか(業務内容や方法など)

③拘束されているかどうか(勤務場所、勤務時間など)

④他人が代替できる業務かどうか(代替できるものならば、従属性を弱める)

 

大雑把に一言でいえば、自由に仕事をさせているのであれば事業者といえるでしょう。

 

また、報酬の対価について、仕事の成果によるものか(報酬的性格)、時間の長さによるものか(賃金的性格)を検討し、正規従業員との差が大きいのかを検討します(正規従業員よりも著しく高額であれば事業者といえます)。

 

さらに、事業者として扱うには、次の要素も重要になるでしょう。

①機械・器具は誰が負担しているのか(高価な機械・器具を購入し、リスクを負っている場合は事業者性が高いといえますが、逆に、機械・器具を与えて使用させている場合は労働者性を高めます)

②他社の仕事を制限されているかどうか

③公租公課の負担があるかどうか(源泉徴収、社会保険料が控除されているかどうか)

④独自の商号を使用しているかどうか

 

以上のとおり、具体的な就業実態をもとに総合的に勘案して判断されますので、業務委託契約と名称だけで判断されないようにしてください。

最後に、簡単にまとめますと、持ち込みトラックで、出来高払い、配達ルートなどを指示せず、必要経費(自動車保険や整備費)なども運転手の負担などの事情があれば事業者として扱えるでしょう。

ということは、上記事情がない場合は、労働者性が認められ労働者としての権利を主張されるリスクが高まりますので、きちんと対応することが肝要といえます。