自白強要ってあるの?

こんばんは、ホスピタリティ弁護士の長屋です。

さて、今日は少し怒っています。自白強要ってあるのかと!

ある刑事事件の依頼者ですが、取り調べには素直に応じているのですが、刑事が作文した調書に、事実(記憶)と異なるから書き直して欲しいと言ったら、これに署名しないとはどういうことだと強い口調で言われたようです。しかも、執拗に刑事の筋書きどおりの事実を認めさせようと大声を出されたようです。

個人的には警察に対しては敬意を払っているのですが、たまにこういう捜査をする方もいるのが現実です。

被疑者には黙秘権があり、調書の訂正を求めたり、調書への署名を拒む権利が保障されています(調書なんて1通もなくてもいいわけです)。

ところが、実際には、記憶のとおり述べた事実を記載してもらえなかったり、誇大表現されていたりすることは本当によくあることです(それでもいいと署名してしまう方も多いですが、後で困ることもママあります)。

また、別の事件では、別件逮捕としか言えない逮捕をされた方もいますし(警官の前で警官に宣言してある行為を行ったわけですが(私は犯罪を構成するとは思っていませんが)、警官は見て見ぬ振りをした挙句、現行犯逮捕するというあり得ない愚行)、国家権力を間違った方向に行使するのは許し難いことです(なお、10日間頑張って無事に釈放されました)。

こういう捜査に対しては、厳しく抗議していく必要があります。どんな状況であったかを具体的に書き記しておき、警察本部の監察官室(警察官の不祥事を取締る部署)や公安委員会へ苦情申し入れをする方法などがあります。場合によってはマスコミへの情報提供や刑事告訴ができる場合もあるでしょう。これらは直ちに効果があるわけではありませんが、違法な捜査の情報を蓄積しておくことは必要だと思います。

もちろん勾留取消や勾留理由開示などで法的な牽制もしますが、実際には思うようにいかないのも事実で実効性に乏しいと言わざるを得ません。

警察による証拠捏造、自白強要や脅迫まがいの発言などでマスコミ報道がなされていることを知らないわけないでしょうが、ギリギリまでシラを切るのが警察の常套手段でもあります(証拠が出るまで否定し続けますが、証拠を突き付けられた途端、事実を認めます)。

こういう場面に遭遇すると取り調べの可視化は必要なんだろうなと考えさせられます(刑事との阿吽の呼吸もあるでしょうから、必ずしも手放しに可視化を賛成してる方でもないのですが)。

確かに犯罪行為は許されません。しかし、被疑者は犯人ではありません。日本では逮捕状が請求されると間違いなく逮捕され、短くとも10日間は勾留されます。もはや犯人扱いです。一方で、犯人と確定したわけではない被疑者の言い分はほぼ聞き入れられません(これについては令状を発布する裁判官にも問題があります)。

逮捕、勾留判断の際に弁護人の立会いを認め、必要性・相当性の判断を厳格に行い、身柄拘束段階での保釈など手続きを充実させるべきではないかと思わずにはいられません。身柄拘束されることの不利益は計り知れないのです。

というわけで、本日、思わず腹立たしさゆえにお耳汚しの投稿でした。