法人であれ、個人であれ、借金問題に頭を抱え、ご相談に来られる方はたくさんいらっしゃいます。
借金問題の解決には、私的整理から法的整理まで手段はいろいろあります。
最近はネットでも解説されていますが、簡単、債務整理についておさらいしましょう。
【私的整理】
・債務整理(任意交渉)
・制度化された手続き(事業再生ADR等)
【法的整理】
・特定調停
・自己破産
・民事再生(個人再生)
・会社更生
ここではよく利用される債務整理(任意交渉)、自己破産、個人再生について述べます。
まず、任意交渉と個人再生については、分割弁済していくことが前提となりますので、継続的な収入がある方が対象になります。
最近では任意交渉において元本を減額してくれることはなくなってきていますが、比較的長期間の分割払いには応じてくれるようになってきています。
したがって、任意交渉で解決するかどうかは、毎月の可処分額と毎月の弁済額を勘案し判断することになるでしょう。
次に、自己破産と比べた際の個人再生のメリットですが、住宅資金特別条項(住特条項)により自宅を残せることや事業を継続できることにあります。
しかし、住特条項を定めるには、住宅といえるのか、住宅資金のための貸付といえるのか、住宅ローン以外に担保が付いていないかなどを確認し、住特条項の要件を満たす必要があります。
ご相談のときに目にするのが、不動産登記を見ても住宅ローンなのかはっきりしない場合です。特に事業者で、債権の範囲が「銀行取引、手形債権、小切手債権」になっている場合は、金銭消費貸借契約書の借入目的や住宅の売買契約書などできちんと確認しなければ、住特条項を使えるか判断できません。
また、すでに住宅ローンを滞納、遅滞している場合は、金融機関と交渉のうえ、再生に向けた計画を立てていけるのか交渉しなければなりません。このような場合は、履行可能性に問題があることも多く、住特条項による再生が難しいことも多いでしょう。
最後に、自己破産についてですが、個人事業主や法人の場合はタイミングが非常に大切になります。自己破産するにも費用がかかります(弁護士費用、裁判所への予納金など)ので、資金が最大になるときに着手しなければ、破産費用が出せずに夜逃げということにもなりかねません。
さらに、零細取引先の資金繰りが悪化して連鎖倒産に繋がらないよう配慮してあげることも時には必要です。迷惑が掛からないようにするコツもあります。
その他考慮すべき事項は色々ありますので、ネット情報だけではなく一度ご相談することをお勧めします。